奥会津三島町での日々

噛めば噛むほど美味しいスルメのような魅力を持つ奥会津三島町の暮らしや協力隊活動の様子を書いてゆきます。

またたびの笊

三島町にはものづくりの文化が残っています。

暮らしで使うものを手作りするのは、私がこれからしていきたいと思っていること。

三島町に来た理由の一つも、ここにそういう土壌があるからでした。

 

雪に閉ざされる冬の時期は、ものづくりの季節。

この冬、町が開催する夜のものづくり教室に参加し、またたびの米研ぎ笊を作りました。

週1回のペースで計8回、伝統工芸士の先生から一から教えてもらいます。

山から切ってこられた植物のマタタビをヒゴと呼ばれる材にし、編んで笊にしていく。

 

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ヒゴづくり


ヒゴづくりが上手にできなかったから、編むときにヒゴがバキバキ折れたり、裂けたりとなかなか思うようにできませんが、その都度先生に助けてもらいながら、直してもらいながら作り進めます。

 

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最後の縁編み

 

普段はなかなか会うことのない他の参加者や先生たちと、おしゃべりしながらも夢中に取り組む時間、だんだんと笊の形になっていく過程は何とも楽しく、2時間はあっという間に過ぎてゆきます。

 

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参加者3人の笊、みんなそれぞれ

 

週に一度のこの日が毎回待ち遠しくて、終わってしまったのは少し寂しいですが、今は使う楽しみがあります。

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ざらし —1週間ほど外の寒さにあてる—

 

プロが作った笊はお米が詰まることはないそうですが、私が作ったのは目が大きいところがあり、お米が詰まってしまいます。

 

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でも、それも手作りならではということで、日々愛着がわいてきます。

自分で作ってみて、いかにみなさんが作る笊がすごいかも今回よくわかりました。

ヒゴづくりが大事ということがよーくわかったので、それを肝に銘じてまた来冬、別の笊づくりにチャレンジしたいです。

 

ジョセササイズ

先日、空き家見学に合わせて除雪をしてきました。

今年は雪が少ないとはいえ、まったく人が入らないとこうなるんですね。

 

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降り積もった雪が、地層のようになっていました。

 

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スコップで雪を切り崩し、スノーダンプで運び、側溝に投げる。

雪のザクザク、シューシュー、私たちのはぁはぁ、ひぃひぃ、よいしょなんて音を響かせながら、ひたすらこの作業を繰り返す。

 

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今まで降りたての雪しか片付けたことがなかったので、パックされた雪は重く、たった10歩くらいでしょうが、玄関までの道のりはかなり遠く感じられました。

 

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できた道が花道のように感じられるくらの達成感。

 これぞジョセササイズ、いい汗かきました。

バレンタインに寄せて

昨日はバレンタインでしたが、こんなにもさらーっと過ぎたバレンタインにちょっとした感動すら覚え、思わず記事を書いています。

 

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バレンタインとは関係ないけれど、三島の美しき夕暮れ

 

バレンタインのちょっと前からそろそろバレンタインだね~という話がちらほら出て、当日も今日がバレンタインだね~という感じで過ぎていった一日。

神奈川にいたころは、正月気分が終わるといつの間にやらコンビニでもショッピングセンターでもチョコ―レートなどが売られて、あらゆる媒体で特集コーナーが設けられ、それらを目にしない日はなかった気がします。

バレンタインに限らず、ハロウィンもクリスマスも、最近はイースターも、ずいぶん早い時期から街中がそのムード一色。

 

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久々にこういうものに触れるととても感動する

 

私自身こういったイベントは大好きですが、近年の盛り上がり様は過剰な気がしいてて、若干うんざりしていたようにも思います。

だから、昨日のバレンタインの過ぎようがあまりにあっさりとさらっとしていて、ちょっとした感動すら覚えました。

 

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それでもときめくイルミネーション


スーパーもコンビニもないここでの暮らしでは、買い出しも週一程度。
今はテレビがないのでCMを見ることもなく、本当にいつの間にかやって来て去っていった感じでした。

こういったイベントに寄せる思いはそれぞれで十人十色。
でも、三島町に来てから、こんな感じで過ぎていくイベントの感じが心地よいなと今回気が付きました。

これも田舎の魅力の一つかもしれないです。

 

クロスカントリースキー

先日は三島町でも一番山奥にある間方集落でクロスカントリースキーをしてきました。

 

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雪に眠る入間方の田んぼ

 

クロカンとは歩くスキーのこと。

森の中を鳥の歌声を聞き、太陽の光をさんさんと浴びながら歩きます。

 

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友人はかんじきで


ふかふかの雪の上をえっさえっさと息を切らせながら山を登ります。

 

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動物の足跡を辿りながら歩く

 

この日は晴天に恵まれ、よき運動日和。

昼ご飯を食べる見晴らし広場からは遠くに飯豊山も見えました。

 

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普段は食べないインスタント麺も山の上では最高においしく、至福の時。

程よく疲れ、冷えてくる体に心地よくしみわたります。

 

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帰りは重力に任せて滑り降ります。

しかし、このスキーはバランスをとるのが結構難しく、

また八の字にしてスピードをコントロールすることもできず・・・何度転んだことか。

 

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こっちに来てよりいっそう車中心の生活になり、

身体を動かすのが主だった前の仕事より明らかに運動する量が減り、

特にこの時期は家籠りしがちなので、

自然の中で体を動かせるのが最高に心地よい一日でした。

 

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雪と火のまつり

2月9日は三島町で第47回雪と火のまつりがありました。

この時期奥会津地域では、毎週末どこかしらで雪まつりがありますが、三島町の47年というのはなかなか歴史があります。

 

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小正月の伝統行事「サイノカミ」(国の重要無形民俗文化財)と「団子さし」~家内安全、五穀豊穣、無病息災などを願う~

 

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雪深く、夜が長く、気持ちも暗くなりがちな冬の時期の楽しいイベント。

この土地に昔から伝わる冬の伝統行事の再現をメインに、雪上運動会的イベント、お笑いライブや音楽の生演奏など盛りだくさんの一日。

 

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町内外の美味しいものが食べられる三島横町



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福々みかんまき

私が特に印象に残ったのが、雪玉ストラックアウトと綱引き大会の雪上イベント。
ルールはあってないようなものだったりするけれど、大人も子どもも真剣勝負。
参加者も応援者もみんなの距離がとても近く、和気あいあいとした雰囲気が三島らしく微笑ましかったです。

 

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雪上綱引き大会

 

夜になると町外からのお客さんもどんどん増え、ライトアップされた会場はとてもきれいでした。

 

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私が生まれ育ったのは大きな町だったし、かつてはこういったお祭りなどにもあまり興味なく過ごしていたので、今回のお祭りはとても新鮮でした。
主催関係者のみならず、町の子どもたちからお年寄りの方まで、色んな人が関わりながら作るイベント。
作り手の顔が見え、参加者の顔が見え、みんなの距離が近いイベント。
寒い冬の良き一日となりました。

 

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移住者インタビューその1

私が移住をする前に一番興味を持ったのが、その場所でどんな人がどんな暮らしをしているのかでした。

今回は三島町にいる移住先輩者にどんなきっかけで三島町に来たのか?どんな暮らしをしているのか?などを聞いてみました。

シリーズで色々な人のエピソードを載せていけたらと思っています。 

 

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初回 大橋治さん(64歳)

東京でIT関係の仕事をしていたが、早期退職し茨城県で義父の稼業を継ぐ。
2017年12月に三島町浅岐地区に単身移住。
空き家を無償譲渡で取得し、県や町の補助金を活用して住みやすい家に改修。

 

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大橋さんは長年田舎暮らしの夢があり、一昨年12月にその夢を叶えました。

「昔はテレビを見て『あぁ、バイク乗りたいな』と思ってもそれでおしまいだったが、今はそれができる。

やりたかったことをやっているという充実感、満足感があり、それが移住して一番良かったこと。」と話す大橋さんに移住にまつわるお話を色々と聞いてみました。

 

—どんな経緯で三島町へ?

三島町には父が転勤族だったことから、中学生の頃に一年間住んだことがありました。工人祭り(様々な手づくり品が全国から集結する三島町最大のイベント)にもよく訪れていたし、工人(=三島町では作り手のことをこう呼ぶ)の同級生が東京へクラフトフェアなどのイベントで来た時などに、作る姿を見たり話をしたりして、いつか自分もものづくりをしたいと思っていました。また山歩きや釣り、ツーリングが趣味だったので、そのすべてが実現できる会津地域への移住を希望していました。

当初は三島町ではなく、もう少し利便性の良い会津若松市喜多方市に住んで三島町に編み組細工を習いに来ようと考えていましたが、条件のいい物件が見つからず、タイミングと予算などの条件で三島町浅岐地区へと移住することになりました。

 

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浅岐集落


—今の暮らしについて

週3日、町の交流施設で町史編纂の仕事をしています。その他の時間は自分の趣味の時間にあてています。妻は実家の茨城県におり、子どもと孫も茨城県と埼玉県にいます。孫の行事に合わせて家族には会っています。

夏~秋は釣りや山登り、ツーリングを楽しみます。畑も借りているので、多少家庭菜園もやっています。

材料採取が始まる11月から工人祭りのある6月までの冬場は、編み組細工をしています。去年の冬、町のものづくり教室で作り方を習い、今は自分で作っています。やるからには極めたいので、工人祭りに自分の作ったものを出すことを目標にやっています。

 

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マタタビのざるづくり

 

—苦労したことは?

家探しでは条件に合う物件が見つからず苦労しましたが、移住してからは特にないです。「除雪が大変じゃないか?買い物が不便じゃないか?」とよく言われますが、それらはやらなくてはならない当たり前のことであり、大変なこととは特に思っていません。

よく「覚悟して移住する」という言い方をするけれど、移住に覚悟という言葉は似合わない。自分が好きで移住するのだから、移住はワクワクすること、楽しいことであり、覚悟して来るほどのことじゃないと個人的には思っています。

 

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渓流釣りの疑似餌づくり

 

三島町の魅力は?

やっぱり編み組細工です。山歩きや釣りができる田舎、自然が豊かなところは全国各地にいくらでもあります。また各地に編み組細工もありますが、三島町の編み組細工には歴史に根差した感性や文化があり、町もそれを強力にサポートしています。地元の人々や町が編み組細工を残していこうとしている雰囲気やムードがとてもいいと思っています。また、工人祭りなどを通して三島町の編み組細工は全国的にも地位があります。

材料採取からすべての工程を自分でできるのがこの編み組細工の魅力であり、自分の他の趣味とも併用でき、長く続けられそうだと思っています。三島町での暮らしは自分がしたいことのすべてがそろっており、今充実した生活を送っています。

 

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三島町の編み組細工

 


大橋さんにとって、三島町は夢が叶った場所。地区や町の行事にも積極的に参加され、三島町での暮らしを満喫されています。

今回のインタビューにも快く応じてくださり、空き家のことや移住定住促進に関しても色々とアドバイスをくださいました。

こうした方たちと一緒に三島町の魅力をもっとアピールしていけたらなと思います。

 

 

春のような一日

すっきりとした青空の広がる今日一日。

 

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いつもダウンコート、襟巻き、毛糸の帽子と寒さ対策ばっちりで外出しますが、今日はそれらが全くいらぬほど!

まるで春のように、太陽はぽかぽかと暖かく、雪もじゃんじゃん溶けていました。

 

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会津若松までの道中では、飯豊連峰や磐梯山がその雄姿を見せてくれました。

実家の神奈川では、冬場のすっきり晴れた日には、富士山がきれいに見えたのですが、磐梯山は私にとって会津の富士山のような存在。

その姿が見られると今日もいい一日だなぁと気分が上がります。

 

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それにしても、今日はこんなに暖かく、昨日は雪ではなく雨が降り…

三島町一年目の私には比較のしようがないけれど、やはり今年の冬は例年とは違うんじゃないか、ちょっとおかしいんじゃないかという気がします。

町の人たちもよくそんな話をしています。

 

そんな気候に不安を感じつつも、今日は太陽を満喫しました。

 

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