奥会津三島町での日々

噛めば噛むほど美味しいスルメのような魅力を持つ奥会津三島町の暮らしや協力隊活動の様子を書いてゆきます。

おばあちゃんの桜

山の中のおばあちゃんは御年90歳。

お彼岸に帰ってきて、毎日畑仕事をしているようです。膝が痛くて昔ほどはできないと言っていますが、それでも、コゴミやわらびなどの山菜を採り、草をむしり、ジャガイモやカボチャ、夏野菜を植え、着々と畑仕事を進めています。

 

先日、おばあちゃんと美坂高原という場所に行ってきました。

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美坂高原

おばあちゃんは20年近く前までここで働いていました。辞める頃、一緒に働いていた仲間たちと、記念に桜の木を植えたそうです。その後訪れる機会がなく、毎年自分たちが植えた桜はどうなったのかと気になっていたそうです。

約20年ぶりに再会した桜は、見事に成長し、美しく咲いていました。

 

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八重桜


昔々、ここは集落の人たちの茅場(屋根を葺くための茅を採取する場所)で、片道5キロほどの道を歩いて来ていたそうです。また山菜採りの場所でもあったそうです。
そのうちにここは、サイクリングや釣り、バーベキューなどが楽しめるレクリエーションの場となり、多くの人でにぎわった時期もあったそうです。その頃、おばあちゃんはラベンダーのお世話などをしていたそうです。そして、今は訪れる人も少なくなり、静かになった美坂高原。

 

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おばあちゃんが子どもだった頃から考えると、ものすごい変化があったんだろうと思います。ここはおばあちゃんの、集落の人たちの、そして町の人たちの思い出がたくさん詰まった場所。思い出の桜を一緒に見ることができよかったです。

 

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歩んできた時間が違うから、感じ方はそれぞれ。きっとあの頃もよかったでしょうが、たくさんの人の思い出を抱えたたずむ今のこの感じも、私は好きだなと思います。