昔語りのこと
会津の出身ではない私はもともと会津の言葉に馴染みがあるわけではなく、また幼い頃に親や祖父母から昔語りを聞いたこともないのですが、初めて聞いたとき、その言葉や語り口、話はとても懐かしく、心身に優しく染み込み、大切なものを手渡されたような気持になったのを今でもよく覚えています。
そして、話を聞きながら大の大人がけらけら笑ったり、手ぶって(「たたいて」の会津の言葉)喜んだり、そして時にしんみりと涙を流したり、その空間の一体感、暖かさが何とも心地よかったです。
昔語りには、その土地独自の文化や歴史がその根底にあり、先人たちのものの見方、暮らしの知恵や教えなど大切なことが多分に含まれています。そして親(や年長者)が子(や年少者、周りの人々)を想う愛情、その健やかな成長や幸せを願う祈りが込められています。
語りの世界は本物の世界。楽しくて暖かくて深くて、時に怖くて悲しくて。語りの世界ってすごい!と、とっぷりこの世界にはまっています。